【ポートフォリオとは】
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【ポートフォリオとは】
株式や債券などの将来の収益は預貯金などとは違い不確実です。
不確実の上、値動きの異なる複数の銘柄やファンドなどを組み合わせた場合に、
『全体として』どんな動きになるのかということを予測するためには、
『統計・確率的な手法を取り入れて計算します。
『金融資産ポートフォリオのイメージ』
項目 | 割合 | リターン |
日本債券 | 10% | 年1% |
外国債券 | 35% | 年4% |
日本株式 | 15% | 年7% |
外国株式 | 20% | 年8% |
金 | 20% | 年5% |
※割合をかけて足すと
- 日本債券 1% × 10 ÷ 100 = 0.10
- 外国債券 4% × 35 ÷ 100 = 1.40
- 日本株式 7% × 15 ÷ 100 = 1.05
- 外国株式 8% × 20 ÷ 100 = 1.60
- 金 5% × 20 ÷ 100 = 1.00
⇒ 期待リターン = 5.15% (0.10.+1.40+1.05+1.60+1.00)
【期待収益率(期待リターン)とは】
収益率(リターン)には『2つ』あります
① 実際の価格データから計算した『事後的な収益率』
- 債券の利回りを求める計算などは、『事後的な収益率』(確定した収益率)。
② 将来発生しうると予想する『事前的な収益率』
- 今後の経済見通しは楽観的や悲観的なものがあるので『事前に予想できる収益率』(予想収益率)
※ 収益の実現が明確でない場合に予想される平均的な収益率を『期待収益率』と呼ぶ。
- 以下のような各シナリオの発生確率と予想収益率があるときの期待収益率は?
発生確率 | 予想収益率 | |
悲観シナリオ | 0.2 | 6% |
メインシナリオ | 0.5 | 8% |
楽観シナリオ | 0.3 | 10% |
※ 期待収益率 = 【0.2 × 6%】 + 【0.5 × 8%】 + 【0.3 × 10%】 = 8.2%
- 各シナリオの『予想収益率』に『発生確率』を乗じて求めたものが『期待収益率』となります。
【標準偏差とは】
予想される平均的な収益率である『期待収益率』と『予想収益率』の間には、それぞれ差がありその差にはバラツキがある。
各『予想収益率』と『期待収益率』の差が、どのくらいバラついているのかは『統計的な手法によって測定できる』
- たくさんある『予想収益率』と『期待収益率』の差のうち、概ね3つに2つ(正解には68.26%)はこの範囲で収まる。
- これらのブレ具合の基準が『標準偏差』という。(この標準偏差をリスクと呼ぶ)
※ 標準偏差 = √Σ発生確率 × (予想収益率-期待収益率)^2
- 予想収益率と期待収益率の差を二乗し、それぞれの発生確率をかけたものを全部合計して、ルート(平方根)で戻してあげます。
『上記で計算した(期待収益率)8.2%の標準偏差』
※ 標準偏差 = √【0.2 ×(6-8.2)^2】 + 【0.5 × (8-8.2)^2】 + 【0.3 × (10-8.2)^2】 = 1.4%
⇒ この収益率は、期待収益率(8.2%) ± 標準偏差(1.4%)= 3回に2回は(6.8%~9.6%)の範囲に収まるということになる。
【シャープレシオとは】
リスクが同じであるならば、より高いリターンが欲しい。一方で、同じリターンであるならばリスクの小さい方が安心となる。
このような、リスクとリターンの関係を測定する代表的なものが『シャープレシオ』という。
- シャープレシオ = 収益率(リターン) ÷ 標準偏差(リスク) = 【実績収益率 - 無リスク資産利子率】÷ 標準偏差
※シャープレシオは同じリスクに対して得られた収益率の大きさを表しており、値が大きいほど効率的に運用できたということになる。
※収益率(リターン)は、『実績収益率』から『無リスク資産利子率』を除くところを注意する。
【ポイント】
一般的な株式の場合、リターン(儲けの平均)は8%前後、リスク(ブレ具合)は20%前後となっているので、大まかな計算で
- 8% ÷ 20% = 0.4 といった数字となる。よって、シャープレシオが『1』に近い金融商品はかなり優れたものと判断ができる。
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