生涯に向けての『稼ぎ方の心得』
目次
【はじめに】
現在、老後破産や下流老人という言葉を耳にします。
若いうちはあまりピンと来ない言葉かもしれないが、いざ年を取ってからでは手遅れとなってしまいます。
一般的には、65歳を過ぎた時点で、老後生活が開始されます。
そのことから、日本には『年金制度』がありますが、この年金制度にも様々なルールが存在します。
巷では、年金保険料を払うことは『かけ損』という人もおられますが、私の考えは違っています。
そのことについても、お話していきたいと思います。
人生を謳歌するには、お金の知識を始め稼ぐことはとても重要です。
しかしながら、毎月の生活があるため殆どが目先の生活費で収入もなくなっていきます。
経営学的に申せば、『支出より収入を増やせ』となりますが、そんなに簡単ではありません。
【平均給与】
国税庁の資料によると、令和元年の平均給与は以下のようになっています。
※令和元年の年間平均給与(全体)
全体 | 男 | 女 | |
年間平均給与 | 436万円 | 504万円 | 296万円 |
※令和元年の年間平均給与(正規・非正規別)
正規 | 非正規 | |
年間平均給与 | 503万円 | 175万円 |
※令和元年の年間平均給与(男・女別)
男 | 女 | |
正規 | 561万円 | 389万円 |
非正規 | 226万円 | 152万円 |
平均給与 | 540万円 | 296万円 |
参照先:国税庁(民間給与実態統計調査)
【平均給与分析】
年間平均給与 | 1ヶ月平均給与 | |
【男性】正規 | 561万円 | 46.75万円 |
【女性】正規 | 389万円 | 32.42万円 |
【男性】非正規 | 226万円 | 18.83万円 |
【女性】非正規 | 152万円 | 12.67万円 |
※実際に生活する上での手取り額は、上記給与より所得税(地方税)・復興所得税や社会保険(健康保険・年金等)などが引かれます。
このように、少なくなった手取り額を原資とし生活をしていかなければなりません。
そこで、末長く生活を安定させていく上でも、金融知識や収入を増やす考えはとても重要です。
【身の丈に合った生活は大切】
一般的人間の三大欲求は、『食欲・性欲・睡眠』と言われますが、私は生活の上での欲とは、『食欲』『性欲』『物欲』だと考えております。
食欲とは、食生活を含む高価な食事や食材。
性欲とは、異性に対する活動費・武装費。
物欲とは、レジャーや物品等(住宅も含む)の経費。
この『食欲・性欲・物欲』は、所得に応じてコントロールすることが出来るため、ご自身の水準が基本となります。
しかしながら世の中の経済は、『現金+クレジット』で成り立っていますので、クレジットに依存しすぎるとたちまち窮地に陥ることにもなりかねません。ある程度のリスクを視野に入れた上でクレジットを組む必要があります。
《家計調査》
1世体当たり(二人以上の世帯) | |
消費支出 | 266.897円(38.92%) |
実収入 | 685,717円 |
参照先:総務省統計局(令和2年7月分)
【年金についての考え方】
冒頭でお話したように、下流老人の定義は60歳以上で金融資産500万円未満の高齢世帯を示しています。
下記のデータから預貯金は年々減少傾向にあることが見て取れます。
その為、金融資産を増やすことはとても重要ですが基本となる『年金』も考えておく必要があります。
年金の仕組みとして、現役世代から保険料を徴収して、高齢者に給付するシステムとなっているため一概には言えませんが、令和2年の段階で国民年金と保険料の関係からみると3.9倍となっております。
国民年金は、所得税(雑所得)が引かれますので手取り額は若干さがりますが、およそ3.9倍の金融商品はあまり見かけません。
現在は、3人で一人を支えると言われていますが、仮に1人が一人を支えても、収めた年金保険料分が年金としていただける可能性がありますので、現在の積立商品と変わらないと思っております。
年金は、景気連動型となっているため、多少の浮き沈みはあるかと思いますが、金融商品もまた同じこととなります。
《家計の金融動向に関する世論調査》
預貯金(保有利率) | |
2016年 | 55.3% |
2017年 | 54.1% |
2018年 | 44.0% |
2019年 | 42.7% |
参照先:金融広報中央委員会
《国民年金》
令和2年(月額) | |
国民年金(満額) | 65,141円 |
国民年期保険料(1号被保険者) | 16,540円 |
【お金の知識】
お金の知識を付けておくことはとても重要となります。
金融商品などを勉強することは勿論ですが、税金・年金・社会保険など生活に密接するお金の勉強も視野に入れておく必要があります。
例えば、年金の場合、現在では『iDeco』が流行っていますが、投資に未経験であれば仕切りが高いものです。しかしながら、1号被保険者対象とはなりますが、付加年金制度を利用すれば、多少は年金額をプラスにすることも出来ます。
この付加年金は、市町村役場自ら勧めてきませんのでご自身の希望を伝える必要があります。
付加年金の保険料は月額400円かかりますが、年金受給後2年で元が取れる仕組みとなります。それ以後は、付加保険料をかけた月数に応じて年金額がプラスになりますので勉強をしてみるのも良いです。
ご自身で金融の勉強(資格)をすることも可能ですが、偏った金融知識より『バランスの良い金融知識』が非常に役に立ちます。 私もAFPの資格は保有しており実務に携わってきましたが、基礎勉強はとても時間がかかるものです。しかしながら、生活面では重要な部分を占めていますので学ぶことは大切だと思っております。 |
【稼ぎ方】
冒頭でも述べましたが、収入を増やすことはとても大切です。
年金を頂かなくても暮らしていけるだけの貯蓄があればとても安心です。
大卒の生涯年収はおおよそ3億円以下と言われていますので、3億円以上の貯蓄を目指すことが一つの指標だと思います。
3億円あれば、毎年500万円(普通の暮らし)で暮らしたとしても、60年間は安泰です。
この3億円の貯蓄をつくるとなると、『働き方が限定』されていきます。
普通のサラリーマンが20歳から60歳までの40年間働いて60歳時点で貯蓄3億円にするには、年間生活費+750万円が必要となります。
現在のレートで所得2000万円の所得税(復興税込み)の税率は42.1%となりますので、単純に可処分所得が約1200万円位になります。
『可処分所得1200万円-貯蓄750万円=年間生活費450万円』で40年間の生活できれば、3億円の貯蓄も夢ではありません(投資はしない前提)
現実にはサラリーマンではとても難しいということになります。
しかしながら、貯蓄3億円以上を持っている方は存在します。
経営者と投資家は、成功すればサラリーマン以上に資産(貯蓄)を増やすことが出来ます。
結論から言えば、『誰かが自分の資産』を増やしてくれるということになります。
よく小規模な経営者(フリーランス)などが存在しますが、仕組や組織などを持っていないと時間売りをする結果となりますので、アルバイトと同じです。
個人事業主の場合、年金においては1号被保険者となりますので貯蓄が出来なければ、当然生涯に渡り仕事をしていくくとになります。
【あとがき】
生涯に渡り、人生を謳歌するには仕事選びはとても重要となります。
現在では、いろいろなスタイルの働き方がありますので好きな仕事に就くことは素晴らしい事ですが、その一方で資産作りのあり方にも目を向けていく事はとても大切です。
ご自身の捉え方ひとつで方向性が変わっていきますので、たまには立ち止まって考えて見てはいかがでしょうか。