【財務分析とは】
Studing Money⑩-2
目次
【財務分析とは】
企業の財政状態及び経営成績をに関する情報を提供する資料を『財務諸表』と呼びます。
企業分析は、金額や数量を分析する『定量分析』と数値化できないのもを分析する『定性分析』に分けられますが、財務分析は、『定量分析』で行います。
企業の一事業年度毎に財務諸表が作成されます。
この財務諸表は、主に融資(出資)の際などに用いられます。
つまり、融資(出資)した資金が確実に回収されるか否かを見極める手段の一つとして財務諸表の分析は非常に重要となります。
財務分析は、『与信管理』の手段として把握しておく必要があります。
【財務分析の着眼点】
財務分析を進めていく上で、重要となる着眼点は4点あります。
- 収益性
- 安全性
- 生産性
- 成長性
一つずつ見ていきましょう。
【収益性】
『収益性の分析』はその企業がいかに『利益を上げる経営』をし、その『利益に継続性があるか』どうかを検討するものです。
主に『損益計算書』を利用します。
(貸借対照表を併用して検討する場合もあります。)
内容的には、『利益の源泉の分析』や『利益率の分析』が中心となります。
【安全性】
経営活動を円滑に行っていくためには、収益性だけでなく財務面での安全性が保たれ、適切な資金繰りがなされていることが重要です。
『安全性の分析』は、『財務構成の分析(健全性)』・『支払能力の分析(流動性)』・『資金効率の分析(効率性)』に分けられます。
特に、『企業の支払能力』を検討します。
【生産性】
従業員や設備を有効に活用し、いかに高い『付加価値』を生み出しているかを分析するのが『生産性分析』です。
付加価値とは、企業が提供する財・用役が新たに生み出した価値を言います。
【成長性】
企業は、成長することでその存続が可能となります。
現状維持を図るだけでは時代から取り残され、衰退の道をたどることになります。
成長性の分析では、総資産や売上高・利益といった財務数値の成長をつうじて『企業の体力』がついているか否か検討します。
【財務分析の手法】
財務分析は、財務数値そのものを分析する『実数分析』と財務数値を対比させて分析する『比率分析』があります。
【実数分析】
実数分析は、『実数を基礎』にして企業の『財政状態』や『収益状態』を分析する方法です。
《実数分析の種類》
①内訳分析法
対象となる『勘定科目の内訳』を詳細に分析する方法。
例えば、たな卸資産ではその種類ごとに『滞留期間』や『市場価格』を調査し含み損益を推定したり、現金・預金では借入金の担保に供しているなど実質的には『使用できない預金』を抜き出して考える方法など。
②増減法
実数分析の手法を数期間の財務諸表による期間比較まで行うと、実数によって『財務・収益の動態的』な把握ができます。
『比較貸借対象表』『損益計算書分析』『資金運用表分析』『利益増減分析』は増減法を応用したものです。
【比率分析】
比率分析は、実数の相互関係から算定される『比率を基礎』として、企業の『財政状態』『収益状態』を分析する方法です。
《比率分析の種類》
①趨勢法(すうせいほう)
ある決算期を基準として各勘定科目の数字を100とし、その後の決算期の実数を百分比で『指数化』して示す方法です。
主に損益計算書科目の伸び率を捉えるために使用します。
売上や利益の品目別の変化など業況全般の把握に有効です。
②構成比率法
構成比率法は、多数の財務諸表の相互比較分析に有効です。
この手法は、全体に対する部分の割合を百分比で表すものです。
『売上高を全体』とした各種の『利益率』や『自己資本比率』などがあげられます。
③関係比率法
関係比率は多種多様で、分類の方法も『収益性比率』『安全性比率』など様々な方法がありますが、一般的には『静態比率』と『動態比率』が使われます。
《静態比率》
貸借対照表の2項目を選んで、相互の関係から算出される比率です。
この関係比率は、『資産の構成』『負債・純資産の構成』『資産と負債・純資産との関連』を示します。
《動態比率》
損益計算書と貸借対照表の2項目の関係から算出される比率です。
収益性・安全性の分析に用いられます。
具体的には『損益計算書の各項目相互間』及び『損益計算書と貸借対照表の各項目』の関係比率に事です。
【まとめ】
主に財務分析は、あらゆる角度から分析を行い著しく変化があるポイントを見つけ出します。
私が銀行時代行っていたことは、3期分の決算書を分析し成長しているのか衰退しているのかを見極めておりました。
それにより改善が可能レベルなのかなどを考慮した上で融資につなげておりました。
ポイントは、冒頭の4種類(収益性・安全性・生産性・成長性)を注視するところにあると思います。