『お家を買う』ための住宅ローンの秘密
目次
【はじめに】
住宅ローンは、人生最大のお買い物とも言われますが『住宅を購入』する上では欠かせないシステムだと思います。
貸し付け条件は各金融機関で異なりますのでここでは住宅金融支援機構(フラット35)の場合を中心にお話して参ります。
いくつかのポイントを考える必要がありますのでご紹介致します。
ここでの注意として、住宅ローンはあくまでも『居住用の為のローン』を忘れてはいけません。投資用のアパートローンや商業用(民泊用や賃貸用物件)とは異なるということになります。
それでは、見ていきましょう。
【借入ローン期間】
住宅ローンの完済年齢はおおよそ80歳とされており、最長貸付年数が35年となります。それらを踏まえると以下の表になります。
- 現在20歳⇒完済55歳(ローン期間35年)
- 現在30歳⇒完済65歳(ローン期間35年)
- 現在40歳⇒完済75歳(ローン期間35年)
- 現在45歳⇒完済80歳(ローン期間34年)
- 現在50歳⇒完済80歳(ローン期間29年)
上記内容から、35年ローンを組む時は年齢44歳迄に『融資実行』をする必要があります。
【借入額】
借入額は、申込者(連帯人含む)の収入状況によって決まります。
※フラット35の場合、返済負担率は年収400万円未満は30%以下・年収400万円以上の場合35%以下とされており、審査金利は毎月発表される金利に連動します。
※銀行・その他金融機関の場合、通常の返済金利は安くなりつつありますが、借入審査の際には審査金利を用いて審査が行われます。金融機関において様々ですが一般的には審査金利は3%~4%と言われており、返済負担率も25%~40%と言われております。
但し、既に『その他のローン』がある場合には減額して計算されます。
《年収に対する不動産購入可能価格》
※フラット35の商品を例に算出します。ここでは、年収における不動産購入可能な上限金額を記載しております。(負債状況やその他の条件等は一切考慮しておりませんので必ずしも借りられる金額ではありません)
フラット35の場合の目安《条件:審査金利1%・借入期間35年で算出》
年収200万円:不動産購入可能価格1700万円
年収300万円:不動産購入可能価格2600万円
年収350万円:不動産購入可能価格3000万円
年収400万円:不動産購入可能価格4100万円
年収500万円:不動産購入可能価格5100万円
※銀行を含む他の金融機関の方が審査は厳しくなります。
【その他のローン】
住宅ローン申し込み(審査時)時点において、その他のローンを(自動車ローン/携帯・スマホ等)組まれている場合にはその他ローン状態を確認されることになります。
貸金業法で指定されている『株式会社日本信用情報機構(指定信用情報機関)』に紹介され『取引履歴』や『借入金額状況』を確認されます。
取引履歴に遅延等があれば当然住宅ローンの審査に引っ掛かります。
借入金があれば、『その他ローンの借入金の月額合計』と『住宅ローン月額合計』を合算し『年収の返済負担率30%~35%(銀行等25%~40%)を12ヶ月で割った月額』と比較をします。
その際、返済負担率を超えた場合、その申込ローンは否決となりますので注意が必要です。
【住宅ローン申し込み時の勤務先】
収入先を確認する上で、その収入源となる勤務先をチェックされることになります。
住宅ローンは返済期間が長期の為、収入源が安定している会社なのかを見定めます。
主なチェック項目としては、登記情報(法務局)・雇用保険被保険者証(職安)・開業届(税務署)などがあげられます。
勿論、『住宅ローン申し込み者』にとっては自分の事ではないのでどうすることもできませんが、唯一出来るとするならば会社に『住宅ローン』を申し込む説明をし必要に応じて助言することも視野に入れておきましょう。
【物件情報】
新築物件はあまり問題ないと思いますが、中古物件の場合で注意しなければいけないのが『未登記物件・違法建築物(増築等)・使用権ありの物件』等です。
居住用物件が未登記だと売買ができませんのであまり心配ないと思いますが、同じ敷地内に『未登記の構造物』が存在すると抵当権の設定ができませんので注意が必要です。
使用権ありの場合で注意が必要なのが、『水路や道路使用権』などです。これらも返済負担金として加味されますので年収ぎりぎりの物件を購入する際には注意しなければなりません。
他にも自宅に入る場合に『他人が所有している所』を利用する場合や『自宅から越境している所(屋根・配管等)』には使用権が発生していないか確認が必要です。(後々トラブルが発生する可能性があります)
購入物件だけではなく周りの状況も確認しておきましょう。(公図・平面図・測量図・配置図等)
【あとがき】
今回は住宅ローンを申し込むのにあたり大枠で説明してまいりました。
住宅ローンには、『ご自身の状況・収入源の勤務先状況・購入予定物件状況』などから様々なチェックがなされます。
今回記載した内容は一例に過ぎません。一人ひとりの状況が異なる為、その人に沿ったチェックが発生します。
上記の内容を『クリア』したからといっても必ずしも住宅ローンが通るわけではありません。
不動産業者や専門家や住宅ローン担当者などと綿密な打ち合わせが必要となりますのでいろいろとご自身で勉強をしたうえで相談をしてみて下さい。