『生命保険』活用の見極め
目次
【はじめに】
生命保険は、大黒柱が万が一の時に『残された家族』が少しでもお金に苦労しないように考えられた『相互扶助』のシステムです。
契約内容に応じて毎月少額を収める事で、万が一の時にまとまった金額を受け取れる事から『経済的なバランス変化』を支える役割を持っています。
近年、各保険会社が独自の商品を構築しており生活実態に合わせて選ぶことが出来ます。
しかしながら、未婚率の増加により生活環境は徐々に変化をしているため、ご自身に合った保険商品を利用することはとても重要です。
【婚姻/離婚割合】
《婚姻/離婚の割合》
婚姻/離婚ともに減少傾向にありますが、『婚姻数』の落ち込みが大きいのがわかります。
婚姻 | 離婚 | 婚姻増減 | |
平成30年 | 586,481組(4.70%) | 208,333組(1.68%) | 378,148組(3.02%) |
平成29年 | 606,952組(4.90%) | 212,296組(1.70%) | 394,656組(3.20%) |
差異 | ▲20,471組(▲0.20%) | ▲3,963組(▲0.02%) | ▲16,508組(▲0.18%) |
【人口推移と世帯の関係】
下記のデータから人口変化が見受けられないので、世帯分離が増えている傾向が読み取れます。
《人口推移》
平成12年 | 平成17年 | 平成22年 | 平成27年 | |
人口 (増減) |
126,926 |
127,768 (842) |
128,057 (289) |
127,110 (▲947) |
《単身世帯/ひとり親/夫婦のみの推移》
国勢調査により(単位:千世帯)
平成12年 | 平成17年 | 平成22年 | 平成27年 | |
単独世帯 |
12,911 (27.6%) |
14,457 (29.5%) |
16,785 (32.4%) |
18,418 (34.6%) |
ひとり親 |
3,546 (7.6%) |
4,070 (8.3%) |
4,523 (8.7%) |
4,748 (8.9%) |
夫婦のみ |
8,823 (18.9%) |
9,625 (19.6%) |
10,244 (19.8%) |
10,718 (20.1%) |
【生命保険の基本型】
①死亡保険
- 被保険者が死亡または高度障害になった場合に限って保険金が支払われる保険。
- 期間を定めている保険を『定期保険』、期間が一生にわたる保険を『終身保険』という。
- 終身保険に定期保険を上乗せしたものを『定期保険特約付き終身保険』という。
②生存保険
- 契約してから満了する一定期間に被保険者が生存していた場合のみ保険金が支払われる保険。
- 代表的なものは『年金保険』や『貯蓄保険』がありますが、『生存保険』としてはほとんど存在しない。
③生死混合保険
- 死亡保険と生存保険を組み合わせた保険。(期間中の死亡・期間満了時の生存)
- 死亡保険金額と生存保険金額を同じ割合で組合わせたものを『養老保険』と言います。
- 養老保険に定期保険を上乗せしたものを『定期保険特約付き養老保険』と言います。
【生命保険の運用可否】
生命保険の受け取る保険金を保険期間中に運用にする保険を『変額保険』、保険金額が保険期間中一定のものを『定額保険』と言います。
- 変額保険は投資リスクが生じる保険です。
《変額保険の種類》
①変額保険(終身型)
- 一生涯の死亡保障で、保険金額は毎月運用実績で変化する(基本保険金額は保証される)
②変額保険(有期型)
- 満期まで死亡保障があり、満期まで生存した時に毎月の運用実績により満期保険金が支払われる(基本保険金額は保証される)
③変額個人年金保険
- 運用実績により、年金・解約返戻金が変動する個人年金保険。
【生命保険会社の健全性】
生命保険会社の経営の健全性を示す指標として『ソルベンシー・マージン比率』や『基礎利益』などがあります。
《ソルベンシー・マージン比率》
- 保険会社の支払い余力を判断指標としており、200%以下では国により『早期是正措置』が取られます。
《基礎利益》
- 1年間の保険会社の財務諸表(保険料・運用収益から保険金・年金・給付金の支払いや、将来の支払いに備える『責任準備金』の積み立てなど)
【死因順位】
平成30年(2018年) | 男性 | 女性 |
1位 | 悪 性 新 生 物 (腫 瘍 ) | 悪 性 新 生 物 (腫 瘍 ) |
2位 | 心 疾 患 | 心 疾 患 |
3位 | 脳 血 管 疾 患 | 老 衰 |
4位 | 肺 炎 | 脳 血 管 疾 患 |
5位 | 老 衰 | 肺 炎 |
【生命保険の選び方】
生命保険商品は、各社が独自商品を販売しているためとても商品数が多いです。
その上、商品販売を終了している保険商品もあり、その時々からご自身の状態に合わせて『販売されている保険商品』を選ぶことになります。
保険商品の種類はとても多く、補償内容も常に変わります。ご自身の状態に合った商品を探すことがとても大切です。 そして家計への影響も大きいので、必要に応じて保険を『見直す』ことはとても重要です。 『保険商品を購入する』前にまずはご自身の状態を相談した上で、商品選びをすることが肝要です。 |
【あとがき】
『残された人がいない』のであれば保険に入る必要はありませんが、生計を共にしている方がおられる場合には、残された方の事は考えておく必要があります。
生活水準はすぐに変える事が出来ませんので、残された方の家計が困窮します。
大黒柱が亡くなれば、変動費は減りますが、固定費が重くのしかかります。
時代は大きく移り変わろうとしていますので、出来るだけ必要最低限の保険料(経費)で抑え、預貯金を蓄えておくことが必要です。
お金が必要な時に保険を解約すると、残された方が困りますので計画的な利用がとても大切になると思います。